インプラント治療における仮歯の必要性

インプラントの治療中、まだ歯を入れていない間をどのように過ごすのか気になる人は多いのではないかと思われます。そこで本記事では、インプラント治療における仮歯の必要性について解説します。

インプラント治療で仮歯が必要な理由とは

インプラントの治療中に歯が入っていないと、咀嚼をしたときに歯並びが変わってしまうことがあります。仮歯を入れておけば、しっかり咀嚼できるのはもちろんのこと、歯並びの歪みを抑えることができます。

前歯のインプラントの場合は、見た目の問題が大きいでしょう。前歯がないと審美性を損ねてしまいます。インプラント治療では、インプラント体と顎の骨がしっかり密着するまで人工歯を入れることができません。歯がない期間が長くなってしまうため、仮歯が必要となるでしょう。

仮歯を入れるタイミング

一般的なインプラント治療の場合、仮歯を入れるタイミングは顎の骨にインプラント体を埋め込んだ後になります。仮歯を入れる期間は骨の状態や歯肉の厚みなどによって異なりますが、1ヶ月から3ヶ月前後となるケースが多いです。

ただし、仮歯を入れるタイミングや期間については、インプラントの治療方法や顎の骨の状態などによって変わってきますので、詳細はかかりつけ医に確認してください。

仮歯が入っている際の注意点

咀嚼などで強い刺激を与えない

インプラント治療中に入れる仮歯は、治療中に修正を行いやすいようにレジンで作られています。レジンはインプラント体を入れた後の人工歯のような強度はなく、強く咀嚼することで割れてしまう、欠けてしまうということが起こりえます。あまり硬いものを強く噛むと、仮歯が損傷してしまう恐れがあるため、咀嚼する際には強い刺激を与えないように注意が必要です。

仮歯が取れやすい食べ物を避ける

インプラント体を入れる手術を行ってから2〜3日は、スープや流動食など、強い咀嚼を必要としない食事を摂るように勧められます。仮歯を入れていても同様です。仮歯はその後取り外しやすいように強度があまり強くないセメントで接着しているため、仮歯がくっついてしまいやすい食べ物を食べると、咀嚼時に仮歯が外れてしまう可能性があります。また、ソフトキャンディやガムなどを食べると仮歯がくっついて外れてしまうことがあるため、仮歯を入れている間はこうした食べ物を食べることは控えたほうがよいでしょう。

歯磨きの方法に気をつける

先にも触れていますが、仮歯は後に外すことを想定して装着しているため、接着強度はさほど強くありません。歯ブラシのときに強く力を入れて磨くことで外れてしまう可能性があります。また傷がついたり、破損する原因となりますので、歯磨きを行う際には強く磨きすぎないように意識しましょう。

仮歯のまま治療をやめない

インプラント治療中に仮歯を入れた後、そのまま不便がないからと治療をやめてしまうのは危険です。仮歯は長期間使用することを考慮して作られていないため、長期間使用すると破損してしまいます。破損したまま仮歯を使い続けるとかみ合わせが変わってしまう恐れもあるのです。かみ合わせが変わってしまってからインプラント治療を再開すると、治療期間が伸びることはもちろん治療費がさらにかかってしまう可能性があります。