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小林大先生に、インプラント治療についてインタビューしました。
入れ歯の場合、噛む力がどうしても普段の20~30%程度しか出せず、しっかり噛めないもどかしさで食事を楽しめない点にあると思います。
他にも軽い素材でできているので、歯茎の上で滑ってかみ合わせが悪くなってしまったり、人と話をしている間に取れてしまうリスクもあり、入れ歯を使っている方には心理的な負担や抵抗も実際にあります。こうした入れ歯の悩みが解決できる方法がブリッジとインプラントですね。
日本では一番多く行われているのがブリッジという方法です。無くなってしまった歯の両側に残った自分自身の歯を使って、橋をかけるように歯を補う方法です。
インプラントよりも費用や体への負担が抑えられるというメリットはありますが、2本の歯で3本分の圧力を支えますので、1.5倍歯の圧力がかかってしまい、歯が割れやすくなってしまいます。 さらに、ご自身の歯を大きく削って被せ物をしますので、削った歯の長期的な健康へのリスクも考えられます。
インプラントは他の歯への影響なく、自然な自分の噛む力を作り上げてくれる画期的な治療法ではあるのですが、ボルトを入れる手術という体への負担や、治療費用がどうしても高額となってしまうため、ハードルはあるのかもしれません。
検査自体は30分程度ですが、その後の分析や評価で1週間程度かけて検証し治療計画を立てていきます。インプラントは人工歯になるので、感染に対する抵抗力が元の歯よりも弱くなってしまいます。そうした感染リスクとの兼ね合いでは、場合によってインプラントが適用できない方もいますので事前確認が必要です。
ボルトを入れる手術では、主に1回法と2回法のどちらかで進めます。1回と2回というのは単純に手術の回数です。まず2回法から説明すると、まずは1回目の手術でボルトを歯茎の中に埋め込みます。2回法ではボルトを埋め込んだら一度歯茎の切開部分を閉じて、ボルトがなじみ、骨へ結合するのを待ちます。3~4ヶ月ほど経過した後、2回目の手術で再度頭部分を切り出し、土台を取り付けます。
一方で、1回法では歯茎の切開した部分にボルトの頭の部分を出したままにします。手術回数が1回で済みますので、患者さんへの負担は減ります。
ただし2回法のように、切開した歯茎の部分を閉じずに顎骨への結合を待ちますので、その間に感染や歯周病を起こすリスクは2回法よりも上がります。細菌感染が起こるとせっかく埋入したボルトが顎骨と結合しなくなってしまいますので、再度歯茎を切り開いてボルトを埋め直すなど、患者さんへの負担が高まります。
きちんと自己管理が出来ていて、普段の口の中のメンテナンスができている方であれば1回法でもこうした問題が少ないので、患者さんごとに適切な方法を判断し、ご提案していくことになります。
また、インプラントを埋め込む顎骨が不足している場合は骨造成を追加で行います。
様々なパターンがあるのですが例えば上の歯をインプラントにする場合、骨の量が少ないとボルトを入れ込む際、上顎洞に貫通したり、上顎洞を守る膜を傷つけてしまう恐れがあります。サイナスリフトやソケットリフトと言うのですが、様々な方法でインプラントが十分埋入できるだけの骨を作っていきます。骨造成を同時に行う際は更に時間がかかる可能性があります。
お値段で決める方もいらっしゃると思いますが、その価格設定には何が含まれているのかを事前にカウンセリングの場で確認した方が良いかと思います。
もしかしたら提示されている価格がインプラントの手術料だけで、検査代や最終的な被せ物は別で後々の請求にかかってくる可能性もあります。インプラントのメーカーについても、どのメーカーを採用されているかによって、治療費に大きく差が出ます。出来るだけ実績があり、先生も症例として似たような治療を過去に経験されている方の方が安心かもしれません。
稀にですが、インプラントを早くやりたくて説明を最後まで聞かずに決行し、後々トラブルが起こってしまう方もいると聞きます。インプラントの治療期間に大事なことは事前に歯科医から必ず説明があると思いますので、疑問点や不安があれば先に確認するようにしましょう。
ほとんどの歯科医院では、再施術の場合新たに施術代を頂き、イチから施術を開始するとことが多いと思います。
例えインプラントの周囲が溶け始めていたとしても、食い止めることができれば大きな問題は起こりにくくなります。車や家も一度買ったら終わりではなく定期的にメンテナンスをするように、インプラントも定期的に歯科医院へ通って、クリーニングやメンテナンスをしてもらうようにしましょう。歯科医院への通院は最低でも3ヶ月に1回ですね。
元々の歯を失う原因も様々ありますが、日常的な歯のメンテナンスを怠った事による歯周病で歯を失ってしまう方もいます。自分の歯のように噛めて、生涯の健康寿命に影響がある歯だからこそ、インプラント後も大切に扱うようにしてください。
北海道・東京・神奈川にて副院長等の勤務医経験
平成31年3月 神奈川歯科大学大学院高度先進口腔医学講座歯科矯正学分野 卒業
平成31年4月 神奈川歯科大学大学院高度先進口腔医学講座
矯正科・歯周病・インプラント科 非常勤歯科医師
小林大, 不島健持, 小林優, 井野智 : 矯正長期管理模型を用いた口蓋関心領域の経年的安定性の検討.第50回神奈川歯科大学総会, 神奈川, 2015.12.5
Kobayashi D, Fushima K, Kobayashi M : Long-term stability of palatal region of interest in adult orthodontic patients. 92nd Congress of the Europian Orthodontic Society, Stockholm, Sweeden, 2016.6.11-16小林大, 不島健持, 小林優, 井野智 : 口蓋関心領域による歯の三次元移動評価.第75回日本矯正歯科学会大会, 徳島, 2016.11.7-9
小野崎純、小林大, 金田用将, 不島健持 : 3軸触覚センサーを用いたMyofunctional Therapy(MFT)の評価方法の検討, 第75回日本矯正歯科学会大会, 徳島, 2016.11.7-9
小林大, 尾崎博弥, 不島健持 : 新しいチタン合金ワイヤーを用いた顎矯正装置の治療評価, 第77回東京矯正歯科学会学術大会, 東京, 2018.7.12
博士号(臨床歯学)
インビザライン認定ドクター
日本矯正歯科学会会員
東京矯正歯科学会会員
日本口蓋裂学会会員
顎変形症学会会員
日本歯周病学会会員
インプラントは外科手術を伴う高い技術が求められる治療です。
歯科医師のスキルの目安になる一つの指標が、
『厚生労働省認定歯科医師 臨床研修指導医』
という資格。
歯科医師に指導できるだけの経験や技術を持ち、常に研鑽を積んでいる医師だけが保有できます。
このサイトでは、厚生労働省認定の臨床研修指導医がいる歯科を、名医がいるクリニックとして定義。
そのうえで、さまざまなインプラントの治療法に対応しているかどうかでクリニックを比較しました。(2019年6月時点)
▼表は横にスクロールすることができます。
ケンデンタル クリニック |
ササキデンタル クリニック |
南外山堀井歯科 |
切らない治療 | 骨を厚く する治療 |
静脈内 鎮静法 |
オールオン4 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
記載なし | 〇 | 記載なし | 記載なし |
記載なし | 記載なし | 記載なし | 記載なし |
※1 治療終了後も定期健診を受けられる方が対象になります。
※このサイトでは、厚生労働省が歯科医師臨床研修施設として認定している歯科を、名医がいるクリニックとして定義しています。